漢方で夏バテ対策!②

やる気スイッチ』

「気」という文字が入った言葉はたくさんありますが、その中に「気力」という言葉があります。
国語辞書で調べますと、何かを行おうとする精神力、気持ちの張り、とあります。
これはすなわち「やる気スイッチ」ではないかと考えます。
やる気スイッチをオンにするためには気という生命エネルギーの力がみなぎってないといけないということではないかと思います。

・気力
何かを行おうとする精神力、気持ちの張り。

やる気スイッチ』

やる気スイッチ』を入れる方法

後天の気を取り入れるために、呼吸をすること、食事をとることが必要と、前回のブログ『漢方で夏バテ対策!①」でご紹介しましたが、それ以外にも気を取り入れる、または消耗させない方法があります。
それは、体を冷やさない、ということです。
夏の暑い中、体を冷やさないって?熱中症になるよ、とお思いの方もいるでしょうが、体が熱くなりすぎることもよくありませんので、もちろん熱中症のような状態では体を冷やすことが必要です。
が、そうではないときは、体を冷やしすぎないように気を付けてもらいたいと思います。
エネルギーという言葉を聞いてみなさんのイメージでは、温かいものですが?冷たいものですか?きっと温かいもの、とお答えになるのではないでしょうか。
そうです、エネルギーは温かいものです。
ですから冷たい飲食を食べ過ぎること、クーラーがよく効いた冷えた環境にいるとせっかくのエネルギーが冷えて動かなくなります。
冷房は室温が27,8度になるように設定して冷えすぎないようにしましょう。

そして暑い日々でもシャワーだけではなくお風呂のお湯につかり入浴しましょう。
冷たいものをとるだけではなく、温かいものも取りましょう。
早朝など涼しい時間帯を選んで適度な運動を行い軽く汗をかき、エネルギーを蓄えましょう。
ただし、運動をやりすぎで汗をかきすぎると、汗と一緒にエネルギーも外に逃げてしまいますので、汗はかきすぎないように気を付けましょう。

日常での漢方養生

では日常的に体を冷やさないようにどうしたらよいのか、夏の暑いときに温かいものばかり食べるといいのでしょうか?
答えは『×』です。
暑いときに温かいものを食べると汗がたくさん出てエネルギーがもれてしまいます。
ですので、「冷ややっこ」や「お刺身」といった冷たい食べ物を食べてもらって大丈夫です。

ただし、「冷ややっこ」には「すりおろし生姜」「お刺身」には「シソの葉」が添えられています。
この添え物のような存在が実は重要な意味があるのです。
「生姜」「シソ」もどちらも体を温める食材でいくつかの漢方薬にも含まれています。このように習慣的に知らないうちに体を冷やさない予防を行っていたのですね。食材には体を冷やす食材、温める食材がありますので、冷たいものを食べるときには、体を温める食材を一緒にとって、冷やしすぎないように工夫が必要です。

「陰」と「陽」

漢方的な考えに、「陰」「陽」というものがあります。

「陰」は、

  • 暗い
  • 冷たい
  • 静か

「陽」は反対に

  • 明るい
  • 温かい
  • 動き
  • 日中

夜の時間は「陰」の時間で体が冷える時間帯と考えています。
このような時間帯には静かにお布団に入って体を冷やさないようにして、エネルギーを充電しましょう。
冷える時間帯に活動を続けているとエネルギーの消耗が激しくなってしまい翌日がしんどくなってしまいます。
なるべく12時までの時間に寝ることがエネルギーを充電するためにも必要です。
朝や日中は活動の時間です。
朝は日が高く上るまで寝ているのではなく、早く起きて活動をし、充電したエネルギーを放散しましょう。

冷えは万病のもと

体を冷やすことで生命エネルギーである気を消耗してしまいます。

冷えは万病のもとです。
体を冷やさないように気を付けましょう。

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