かぜは万病のもと ②

漢方薬は、体力や症状はもちろん、引きはじめ、こじらせたかぜ、治りかけなど、かぜの時期でも使い分けます。そのため、そのときの体の状態や一人ひとりにあった治療法を選択することができます。
一般的なかぜの場合、比較的ある程度期間が経てば治る病気なので、まずは、体を温め、安静にし、栄養と水分を補給するとともに、症状がつらい場合は、以下の漢方薬がおすすめとされています。

かぜの初期症状漢方薬(例)
感冒の初期(汗をかいていないもの)、鼻かぜ、鼻炎、頭痛、肩こり、筋肉痛、手や肩の痛み葛根湯(かっこんとう)
感冒、鼻かぜ、気管支炎、鼻づまり麻黄湯(まおうとう)
かぜが長引いている
(発症3~5日)
症状漢方薬(例)
食欲がない、悪寒と熱感を繰り返す、体力やや低下柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)
かぜの回復期症状漢方薬(例)
体力が落ち、倦怠感がある補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

また、特に抵抗力が落ちている方高齢者の方には、以下の漢方薬が効果を発揮します。
以下にいくつかの漢方薬をご紹介します。

かぜの初期症状漢方薬(例)
虚弱体質、手足の冷え、咳、鼻水、微熱麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)
虚弱体質、下痢、手足・腰の冷え、めまい、倦怠感真武湯(しんぶとう)
胃腸虚弱、神経質、強い不安、頭痛、発熱香蘇散(こうそさん)
かぜが長引いている
(発症3~5日)
症状漢方薬(例)
食欲がない、悪寒と熱感を繰り返す、体力やや低下柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)
さらに体力低下、冷えが強い柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)
かぜの回復期症状漢方薬(例)
体力が落ち、倦怠感がある補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
空咳・痰がからむ麦門冬湯(ばくもんとうとう)

災害時にも活躍した漢方

東日本大震災のような大規模災害時、厳しい環境にさらされ、多くの健康被害がもたらされます。
そのような緊急時、かぜに対して葛根湯や麻黄附子細辛湯、高齢者に多くみられた低体温症に対して当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)など様々な漢方薬が使用され、効果を発揮しました。

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