尿トラブルと漢方治療 ④

シリーズとして『尿トラブルと漢方治療』という内容で、少しずつになりますが当ブログでご紹介しています。
前前回のブログでは、八味地黄丸(はちみじおうがん)、前回のブログでは、清心蓮子飲 (せいしんれんしいん)について紹介させていただきました。
今回のブログでは、猪苓湯(ちょれいとう)という漢方薬をご紹介いたします。

猪苓湯(ちょれいとう)とは

女性の方に特に多い泌尿器疾患の1つに『膀胱炎』がありますが、一般的には『膀胱炎』というと急性(細菌性)膀胱炎のことをさし、体の下腹部にある膀胱に炎症が起きている状態をいいます。その他にも、慢性膀胱炎や間質性膀胱炎、自己免疫が低下している時になるウイルス性膀胱炎などがあり、これらの膀胱炎には男性の方もかかる可能性があります。
一般的な『膀胱炎』急性(細菌性)膀胱炎について少しふれると、細菌性膀胱炎ともいわれるように、細菌が尿道から膀胱に入り込むことにより膀胱内に入った細菌が繁殖し膀胱に炎症が起こります。膀胱の炎症により、排尿時痛や頻尿、残尿感などの症状が現れます。このような経緯から特に女性の方は男性の方より尿道が短いため、膀胱炎になりやすいというわけです。

膀胱炎の三大症状
 ① 頻尿・残尿感

 ② 排尿時痛

 ③ 血尿

こういった『膀胱炎』の治療の際に、抗生剤と一緒に処方されることがあるのが、猪苓湯(ちょれいとう)という漢方薬です。猪苓湯(ちょれいとう)自体には細菌をやっつける効果まではありませんが、膀胱の粘膜の状態を整えたり、止血効果のある阿膠(あきょう)という生薬が配合されているため血尿などの症状が出ている場合に膀胱炎の治療をサポートする場合があります。猪苓湯(ちょれいとう)は、主薬の猪苓(ちょれい)をはじめ、以下の作用がある5種類の生薬が配合されています。

・猪苓(チョレイ):利水作用(漢方の代表的な利水薬で、水分循環を改善し尿の出をよくする。)
・沢瀉(タクシャ):利水作用・軽度の抗菌・消炎作用(熱や炎症をしずめる働きをする。)
・茯苓(ブクリョウ):利水作用
・阿膠(アキョウ):補血・止血作用
・滑石(カッセキ):軽度の抗菌・消炎作用

膀胱痛や膀胱に違和感があったり、何となくいつまでも下腹部がすっきりしない場合などの症状があれば、一度、かかりつけ医にご相談ください。
また、繰り返す膀胱炎の場合は、残尿(排尿障害)や膀胱や腎臓内の異物(結石・腫瘍)などがないかエコー等の検査が必要な場合があります。

当クリニックでは、地域のかかりつけ医として患者さんに信頼され、どんなからだの不調やお悩みもご相談いただきたいと考えております。
このような尿トラブルについても、不安やお悩みがありましたら、まずはお気軽にご相談ください。

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